電子機器組立向け KRYLEX 導電性接着剤
(出典:Krylex.com / Chemence)

電子機器の高性能化と導電性接着剤へのニーズ
コンシューマー向け電子機器では、より高い性能を実現するため、消費電力密度(Power Density)が年々高まっています。
特に消費電力の増加が著しい用途として、
- コンパクトカメラモジュール(CCM)
- 高解像度OLEDディスプレイ
が挙げられます。
こうした高性能化に伴い、
- 電力管理
- 放熱設計
- 信号処理
において新しい技術が必要となっています。
製品サイズやバッテリー寿命、信頼性を犠牲にすることなく高性能を実現することが重要です。
CCM(コンパクトカメラモジュール)で生じる課題
放熱(Heat Dissipation)
消費電力が増えると発熱量も増加します。
発熱はカメラモジュールの性能や寿命に悪影響を与えるため、小型化を維持しながら効率的に熱を逃がす放熱設計が必要になります。
バッテリー寿命
スマートフォンやドローンなどのバッテリー駆動機器では、
消費電力の増加は使用時間の短縮につながります。
そのため、省電力化は極めて重要です。
小型化との両立
カメラモジュールは限られたスペースに搭載されるため、
電源回路や放熱構造を大きくすることはできません。
そのため、小型化を維持しながら消費電力を最適化する必要があります。
信号品質(Signal Integrity)
消費電力が増えると、
電磁ノイズ(EMI)
も増加します。
これにより画像信号へ悪影響が及ぶ可能性があるため、
高品質なシールド設計や信号処理技術が必要になります。
コスト
高度な放熱技術や電力管理技術を導入すると、
製造コストが上昇します。
メーカーは、
性能・消費電力・コスト
のバランスを取る必要があります。
信頼性
高消費電力は電子部品へ大きな負荷を与えます。
その結果、
故障率の増加や寿命低下につながる可能性があります。
OLEDディスプレイ特有の課題
OLEDディスプレイでは、消費電力の増加に加えて、
画質の維持
も重要な課題です。
消費電力が増えることで、
- 焼き付き(Burn-in)
- 残像(Image Retention)
が発生しやすくなります。
これらは表示品質やユーザー体験を低下させます。
導電性接着剤による解決
これらの課題を解決する方法の一つが、
高性能導電性接着剤
の利用です。
コンシューマー電子機器における導電性接着剤
電子機器の高出力化が進むにつれ、導電性接着剤の利用範囲も急速に拡大しています。
導電性接着剤のメリット
電機的グラウンド(ESD対策)
導電性接着剤は優れたアース接続を形成し、
静電気(ESD)を効率よく逃がします。
これにより、電子部品を静電破壊から保護できます。
放熱性能
導電性接着剤は高い熱伝導性を持つものが多く、
動作時に発生する熱を効率よく放散します。
これにより、
モジュールの性能や信頼性が向上します。
機械的安定性
低弾性率(Low Modulus)の接着剤を使用することで、
落下衝撃に強く、
小型・薄型部品の機械的信頼性も向上します。
大量生産への適合
多くの導電性接着剤は、
室温または低温で硬化できます。
これにより、
- 消費エネルギー削減
- 基材の反り・収縮防止
が可能になります。
省スペース設計
導電性接着剤は薄く塗布できるため、
製品サイズをほとんど増やすことなく導電性を付与できます。
小型電子機器には大きなメリットです。
これらの特長により、
導電性接着剤は
- ESD対策
- 放熱
- 小型化
を同時に実現できる材料として利用されています。
導電性ポリマー・導電性接着剤とは
導電性フィラーを配合したポリマーや接着剤は、
電子部品のグラウンド接続用途で長年使用されています。
フィラー同士が電気的に接続されることで、
電子部品から基板まで電流の通り道(導電経路)が形成されます。
また、
プリント基板では、
電流を流す配線(トレース)の代替として利用されることもあります。
従来の導電性接着剤
従来の導電性接着剤には、
- 金
- 白金
- 銀(最も一般的)
などの導電性金属フィラーが使用されます。
これらを絶縁性樹脂へ大量に混合することで、
硬化後に導電性を発現します。
パーコレーションポイント(Percolation Point)
金属フィラー量が一定以上になると、
抵抗値が急激に低下し、
導電性が現れます。
この臨界点を
パーコレーションポイント
と呼びます。
十分な導電性を得るためには、
通常、
この点を大きく超える量のフィラーが必要です。
そのため、
多くの導電性接着剤では
70〜85 wt%
ものフィラーが含まれています。
フィラー形状
銀フィラーには、
- 球状
- フレーク状
があります。
これらを組み合わせることで、
導電性や粘度を最適化できます。
近年では、
ナノフィラー技術
の進歩により、
導電性接着剤にも新しい設計が可能になっています。
コンシューマー電子機器向け導電性接着剤の課題
従来の導電性接着剤は、
半導体チップ接着(Die Attach)
を目的として設計されていました。
そのため、
通常は
150〜200℃
程度で硬化します。
しかし、
現在の電子機器では、
熱に弱い部品が増えています。
例えば、
- 樹脂部品:約80℃
- OLEDパネル:約60℃
程度しか耐えられません。
そのため、
従来型接着剤は使用できないケースが増えています。
低温硬化時の問題
低温硬化では、
- 導電性が低下しやすい
- ESD性能が十分得られない
という課題があります。
また、
一液型接着剤では、
80℃未満では十分に硬化せず、
硬化時間も60〜90分以上かかることが一般的です。
KRYLEXによる次世代導電性接着剤
KURALOW™ 樹脂技術
KURALOW™は、
- 一液型
- プレミックス
- 高信頼性
を実現した接着剤プラットフォームです。
さらに、
55℃という非常に低い温度で硬化
できます。
また、
室温でも長期間保存でき、
大量生産ラインでも安定したディスペンスが可能です。
この樹脂技術を導電性接着剤へ応用することで、
熱に弱い基材を傷めることなく、
低温でも十分な導電性を実現できます。

KRYLEX独自フィラー技術
KURALOW™だけでなく、
KRYLEXでは独自の無機フィラー技術も開発しています。
従来の導電性接着剤では、
フィラー量は70〜85%程度必要でしたが、
KRYLEXでは
約40%程度
まで低減できます。
これにより、
- 材料コストの削減
- 粘度の改善
- 加工性向上
が可能になります。
さらに、
この低フィラー配合でも、
60℃という低温で高い導電性を発現
できます。
この技術により、
これまで導電性接着剤を使用できなかった熱に弱い材料や電子部品への適用が可能となり、導電性接着剤の用途は大きく広がっています。