KRYLEX KURA-LOW™ 技術プラットフォーム ― コンシューマー向け電子機器組立に革新をもたらす新しい接着技術
(出典:Krylex.com / Chemence)

次世代電子機器組立のための新しい接着技術
Chemence Performance Materialsの研究開発チームは、電子機器組立における次世代の接着課題を解決することに取り組んでいます。
こうした「業界のソリューションプロバイダーであり続ける」という企業理念のもと、新しい接着剤技術プラットフォーム
KURA-LOW™
が開発され、現在では一部のKRYLEX接着剤製品に採用されています。
電子機器組立における熱負荷(Thermal Budget)の課題
電子センサーやディスプレイ、筐体などを組み立てる際には、
熱負荷(Thermal Budget)
の管理が非常に重要です。
製造工程で高温にさらされる時間や温度をできるだけ低く抑えることで、
- 組立工程の安定性向上
- 電子部品の性能維持
- 長期信頼性の向上
につながります。
しかし、従来の接着剤では、
- 高温での加熱硬化が必要
- 二液混合型で使用しなければならない
製品が多く、製造工程や製品信頼性の面でさまざまな制約がありました。
KURA-LOW™技術
KURA-LOW™は、
60℃という低温で高性能な熱硬化接着
を可能にする新しい技術です。
さらに、
- 一液型
- あらかじめ混合済み(プレミックス)
- 室温で高い保存安定性
という特徴を備えています。
製品によって異なりますが、
室温(RT)で
- 約3〜5日
- 最長約6週間
という優れた保存安定性を実現しています。
多様な硬化方式に対応
KURA-LOW™は用途に応じて複数の硬化方式を提供しています。
デュアルキュア(UV+熱)
UV照射と熱硬化を組み合わせた方式です。
KRYLEXでは、
- カメラモジュールのアクティブアライメント
- レンズ接着
など、高精度な用途向け製品に採用されています。
熱硬化タイプ
熱のみで硬化するタイプです。
主な用途は、
- OLEDディスプレイ組立
- 筐体接着
- その他構造接着
などです。
スナップキュア(Snap Cure)
インライン生産のように、
極めて短時間での硬化
が求められる工程向けのシステムです。
デュアルキュア(UV+熱) KRYLEX KD7000シリーズ

熱硬化タイプ KRYLEX KD7000シリーズ

KURA-LOW™技術の価値
Chemence社長のJeff Roberson氏は次のように述べています。
「KURA-LOW™は、お客様がこれまで達成できなかったレベルの性能を実現する画期的な技術です。」
さらに、
「研究開発チームは、業界最高レベルの作業寿命(室温安定性)、優れたディスペンス性、60℃という低温硬化、高い信頼性を兼ね備えた技術を開発しました。」
世界中の大手顧客との共同開発を通じて、この技術が実際の製造現場で大きな価値を生み出していることを実感しています。
また、
工程や性能面だけでなく、
持続可能性(サステナビリティ)の面でも大きなメリットがあります。
例えば、
- 低温硬化による消費エネルギー削減
- 超低温(−40℃)保管が不要
- 保管コストやエネルギー消費の削減
などにも貢献します。
KURA-LOW™技術の価値
KURA-LOW™は、以下のような幅広い電子機器用途を対象としています。
- カメラモジュール(アクティブアライメント、レンズ接着、レンズ・バレル接着)
- センサー接着
- 熱に弱い金属・樹脂部品の構造接着
- OLEDディスプレイ組立
- マグネット接着
- バッテリー接着
- FPC(フレキシブルプリント回路)の補強
- マイクロスピーカー組立
- 電子機器筐体の接着
- ウェアラブル電子機器
- ソフト素材・ファブリック(布地)の接着
まとめ
KRYLEX KURA-LOW™は、従来の高温硬化型・二液型接着剤に代わる新しい接着技術プラットフォームです。
60℃という低温での熱硬化と一液型プレミックスを両立し、優れた室温保存安定性、工程の簡素化、高い信頼性を実現します。また、低温硬化や冷凍保管不要といった特長により、製造時のエネルギー消費や環境負荷の低減にも貢献します。
そのため、カメラモジュール、OLEDディスプレイ、センサー、FPC、ウェアラブル機器など、熱に敏感な電子部品の組立に適した次世代接着技術として期待されています。