CCM(コンパクトカメラモジュール)におけるIRフィルター接着の重要性
(出典:Krylex.com / Chemence)

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図1:一般的なIRフィルターおよびレンズアセンブリ

スマートフォンや自動車には、コンパクトカメラモジュール(CCM:Compact Camera Module)が数多く搭載されるようになっています。

スマートフォンでは、複数のCCMを搭載することで、近距離から遠距離まで高精細な撮影が可能になりました。また、自動車業界では先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴い、CCMの需要が世界的に急速に拡大しています。

CCMには固定焦点タイプとオートフォーカスタイプがあり、その構造には用途に応じて5~10種類もの接着剤が使用されています。

それぞれの接着部位で求められる性能は異なるため、適切な接着剤の選定はカメラモジュール全体の性能と信頼性を左右する重要な要素となります。

IRフィルターは、CCMを構成する重要な部品の一つです。

赤外線を十分に遮断できないデジタルカメラでは、撮影対象から反射した赤外線がイメージセンサーに到達し、撮影画像の品質を低下させる原因となります。

IRフィルターを使用することで、不要な赤外線を効果的に除去し、より鮮やかで自然な色再現を実現できます。

オートフォーカス方式のCCMではIRフィルターはVCM(Voice Coil Motor)モジュールに接着され、固定焦点方式ではレンズホルダーに接着されます。

IRフィルターは通常、特殊な光学ガラスで製造され、700~1000nm付近の赤外線を選択的に遮断するコーティングが施されています。

CCMの高い信頼性を実現するためには、このIRフィルターを長期間安定して接着できることが不可欠です。そのため、接着剤にはさまざまな厳しい要求性能が求められます。

屈折率(Refractive Index:RI)は、光が材料内部へ入射した際に、どの程度屈折するかを示す指標です。

撮影画像の歪みや画質低下を防ぐためには、CCMに使用される材料の屈折率を適切な範囲に保つ必要があります。

また、カメラモジュールは、高温・高湿環境や湿気などの厳しい使用環境に長期間さらされます。

一般的にカメラには数年間にわたる耐久性が求められるため、接着剤を含むCCMの各構成部品は、こうした過酷な環境でも性能を維持できるよう設計されなければなりません。

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図2:IRフィルターとレンズアセンブリの断面図(一般的な接着層の構成)

CCMの光学性能を長期間維持できることを確認するため、組み立て後には加速環境試験(Accelerated Environmental Aging Test)が実施されます。

試験では、黄色光および青色光に対する透過率を一定期間ごとに測定し、環境試験後も光学特性が安定していることを確認します。

さらに、接着剤には高い光学性能と環境耐久性だけでなく、大量生産への適合性も求められます。

また、IRフィルターと組み合わせて使用されることが多いLCP(液晶ポリマー)のような接着が難しい樹脂材料に対しても、高い接着性を発揮する必要があります。

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