表面改質向けVUVキセノンエキシマ光源

キセノン充填RF駆動ランプシステムは、158~190nmの深紫外(VUV)光を放射する、信頼性が高くメンテナンスフリーの高輝度光源です。この光源は、容易にカスタマイズ可能な350×400mmのフランジに取り付けられており、高圧システムまたはガスフローシステムへの接続が可能です。10mW/cm²を超えるVUV光束は、230mmの出力口から供給され、効率的な表面改質を実現します。ウェーハ洗浄やLCDパネル洗浄、親水化処理などの用途に使用できます。

特徴

アプリケーション

製品情報

製品エキシマランプ
ガスキセノン
ウィンドウ素材石英
ランプチューブ4本
出力口サイズ230×230mm
内部プラズマ径23mm
内部プラズマ長23cm
出力波長164-177nm
ピーク波長172nm
平均UV照度12mW/cm2

エキシマランプとは

エキシマの利点

  • 無毒 – ランプ内に有毒な水銀蒸気は含まれません
  • ランプの使用によりHFやその他の酸、有毒な有機溶剤は発生しません
  • プロセスに優しい – 水銀蒸気による真空プロセスへの悪影響はありません
  • 流体なし – プロセスでは流体を必要とせず、その結果脱着や汚染の問題も発生しません。
  • UVまたはVUV(真空紫外線)で高出力の単一ピーク(波長)放射線を放射します。
  • 特定の化学物質をターゲットにできる
  • 低エネルギー消費 – 10%以上
  • レーザーよりも優れている – エキシマレーザーの効率は通常1~3%に過ぎない
  • クールオペレーション – 低い動作温度(照射面を加熱しない)
  • インスタントスタート – 通常1ミリ秒未満で起動します
  • 最小限のダメージ – 1ミクロンの層で紫外線を吸収

エキシマランプによる洗浄

エキシマシステムは、ドライクリーニングと呼ばれる紫外線洗浄プロセスを採用しています。このプロセスは、プロセスフローへの影響を最小限に抑えながら有機化合物を破壊・除去します。有毒な液体を生成しないため、ウェットクリーニングよりも優れています。エキシマによる有機化合物の破壊は、汚染分子(例:フォトレジスト、樹脂、人間の皮脂、洗浄溶剤の残留物、シリコーンオイル、はんだ付けフラックスなど)が真空
紫外線の作用によって、無毒で揮発性の単純な分子断片に分解される際に起こります(下図)。

excimer-wavelength

関連用語

光酸化
有機化合物の分解をもたらす、紫外線誘発プロセス

Atomicaly clean
基板表面の汚染膜が1分子以下の厚さの状態

アプリケーション

半導体関連

  • シリコンウエハーおよびフォトレジストフィルムのドライクリーニング
  • リソグラフィマスクのドライクリーニング
  • CMP後のドライクリーニング
  • High-k材料の表面調整
  • 層間絶縁膜のUVドライクリーニング(SOG)
  • CVD
  • PMMAコンディショニング(レジストスムージング)
  • ダイシング後のテープ残留物のドライクリーニング
  • ワイヤーボンディング前のドライクリーニング
  • リードフレーム裏面のドライクリーニング

プラズマディスプレイパネル

  • フォトレジスト前、スパッタリング前のクリーニング
  • ウェットクリーニングの前後にドライクリーニングを行うことで歩留まりを向上

環境と医療

  • 光酸化による空気/水中の有毒廃棄物(例:CFC、PCB、ダイオキシン、トリクロロエチレン)の破壊
  • 機械部品の非溶剤洗浄
  • 医療機器および医療用品のUV/オゾン滅菌
  • ガラス板、PDP蛍光灯、LCDの洗浄

その他

  • フォトレジストフィルムの非露光部表面の改良
  • ソフトアッシング
  • CDやDVDなどのディスク表面の前処理
  • ハードディスクドライブ用ボールベアリングのドライクリーニング
  • プラズマエッチング装置用点火装置および安定装置(補助光としてエキシマを使用)
  • コーティングおよび接着剤のCMP硬化後処理
  • アモルファスシリコン太陽電池などのアモルファス材料の生成
  • 印刷 – 繊維印刷、仕上げ、プリント回路
  • 表面改質 – セラミック、表面エッチング
  • 環境浄化

親水化アプリケーションにおける接触角測定

洗浄および親水化アプリケーションにおける接触角度の測定は表面の洗浄/親水度を測定する最も簡単な方法です。
表面の水滴の表面張力は汚染度合いに依存します。
よって水滴の接触角は表面の汚染部室の除去により表面張力が低下するにつれて減少していきます。
 
下記の画像はエキシマUVを使用したガラス顕微鏡スライドの表面洗浄を示しています。
親水化における接触角測定
露光開始直後
親水化における接触角測定2
30秒後

測定例

接触角測定
  • 接触角法を用いると、172nmのエキシマ光が30秒以内にガラス表面から汚染物質を急速に除去することがわかります。
  • 試料までの距離に強く依存するのは、172nmにおけるO2の吸光度が大きいためです。距離がある場合は、空気よりもO2濃度の低い混合ガスを使用することで最小限に抑えることができます。
接触角測定エキシマvs水銀

Si表面における水銀とエキシマの接触角測定(下図参照)

  • エキシマランプが水接触角を 50.9 度から 2.6 度に変更するには 15 秒かかります。
  • 水銀ランプでは、接触角を 60 度から 8 度に変更するのに、ほぼ 2 倍の電力が必要で 220 秒かかります。
  • エキシマVUV洗浄は水銀ランプを用いるよりもはるかに高速です。

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