モノクロメーターとは?原理・構造・分光器との違い
1. モノクロメーターとは何か
モノクロメーター(Monochromator)とは、広帯域光源から放射される光を回折格子やプリズムによって分光し、任意の波長帯域の光を選択して出力する装置です。
内部にスリット、反射ミラー、グレーティングなどを備え、主に広帯域光を任意の波長帯域の単色光として取り出す役割を担います。
アプリケーションとしてはセンサー評価、材料評価、色評価、ハイパースペクトルイメージングなど多岐にわたります。
波長可変光源として使用する場合、光源を内蔵しているもしくは光源と組み合わせられることが必要です。

2. モノクロメーターの原理

先述のとおりモノクロメーターは以下のコンポーネントで構成されます。
- 入射スリット
- コリメートミラー
- 回折格子(グレーティング)
- 集光ミラー
- 出射スリット
この構成の中で特に重要なのが回折格子(グレーティング)です。
波長ごとに異なる角度へ光を分離するため、グレーティングを回転させることで出射スリットから取り出す波長を変更できます。
3. モノクロメーターの主な用途
主に以下の用途で使用されます。
- イメージセンサー評価
- フォトダイオード評価
- 太陽電池評価(EQE測定)
- 材料の分光反射率
- 材料の分光透過率
- 光学フィルター評価
イメージセンサーやフォトダイオードは波長ごとに感度が異なります。
例えば400nmでは高感度でも、700nmでは感度が低下することがあります。この波長依存性を分光感度と呼びます。
光学フィルターや各種材料についても、波長ごとの透過率や反射率を測定するためにモノクロメーターが使用されます。

4. モノクロメーターと分光器の違い
モノクロメーターとはよく分光器と同一に説明されることがありますが、厳密には間違いとなります。モノクロメーターはあくまで光を単色光する装置となります。分光器の中でも検出器とモノクロメーターを組みわせたものが存在することから混同して表現されることが多々あります。
5. モノクロメーターと波長可変光源の関係
波長可変光源は任意のピーク波長を選択し放射できる光源です。波長可変光源にもさまざまなタイプがありますがその中にモノクロメーター式の波長可変光源が存在します。これはおもにハロゲンランプやキセノンランプなどの広帯域光源とモノクロメーターを組みわせた光源を指します。広帯域光源より出力された光をモノクロメーターに入力し、単色化して出力することにより波長の選択を可能としています。
波長可変光源の波長分解能はほぼモノクロメーター内のグレーティングおよび焦点距離、スリット幅に左右されます。
6. モノクロメーターの重要仕様
モノクロメーターを選定する際に重要な仕様項目は以下となります。
- 波長範囲
モノクロメーターが対応できる波長領域 - 分解能
波長をどれだけ分解できるか - 半値幅
出力される単色光の波長幅 - 焦点距離
一般的に焦点距離が長いほど高分解能 - スリット幅の可変
スリット幅を調整することで半値幅の調整が可能
波長範囲、分解能、半値幅についてはグレーティングのスペック、スリット幅に依存します。





