RCH-xxx UV放射照度計
Gigahertz-Optik社のRCH-xxxシリーズはUV硬化、接着に用いられる光源の照度測定に特化したUV照度計です。対応波長範囲別に複数のディテクターをラインナップしています。受光ヘッドと測定メーター間のライトガイドはflexible(RCH-0xx), rigid(RCH-1xx)の2種類をアプリケーションに合わせて選択できます。
UV照度を精度高く測定するためには使用する光源に適したディテクターを選択することが重要です。お使いの光源に最適なディテクターを選定いたします。お気軽にお問合せください。
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波長範囲 | 320-450nm | 250-400nm | 320-390nm | 390-460nm | 240-320nm | 345-385nm | 400-460nm | 240-550nm | 360-450nm | 650-970nm | 330-480nm |
入力光学系 | 9mmディフューザー | ||||||||||
寸法 | 測定ヘッド: 高さ: 8mm/直径: 37mm ディテクター: 長さ: 65mm/直径:15mm |
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ライトガイド | 50cm/20 inch | ||||||||||
最大放射照度 | 40 W/cm² | ||||||||||
最大信号電流 | 100μA | 50μA | 100μA | ||||||||
温度範囲 | up to + 100 °C (short-term) | ||||||||||
湿度 | <80%, non-condensing | ||||||||||
ケーブル長 | 50㎝ | ||||||||||
コネクター | -1,-2,-4,-5 |
特徴
- 低UV劣化
- 温度耐性
- コンパクトなハウジング
- 広い測定エリア
- 狭スペクトルに対応
- ハイダイナミックレンジ
- 安全な取り回し
- 追跡可能なキャリブレーション
アプリケーション
- UV硬化
- UV接着
- UVリソグラフィ
製品概要
UV硬化検出器の一般的な設計上の考慮すべき事項
- 低UV劣化:UV硬化では高出力のUV放射強度が必要とされますが、UV放射はディテクターの劣化を引き起こし長期的な安定性に影響を与えます。
- 温度耐性:高強度のUVを使用するアプリケーションでは他の産業用アプリケーションよりもUVディテクターの使用温度が高くなります。UVフォトダイオードおよび光学フィルターへの温度の影響は測定の精度に影響します。
- コンパクトなハウジング:拡散照明では光源からの距離に応じて有効放射照度が減少するため、UV 線量はできるだけ製品の近くで測定する必要があります。
- 広い測定エリア:小さな測定エリアは均一ではない照射において、測定の不確かさにつながります。
- 狭スペクトルに対応:放電ランプでのアプリケーションではディテクターのスペクトル感度は硬化を左右する放射のみを測定するために光硬化開始剤のスペクトル範囲に限定される必要があります。
- ハイダイナミックレンジ:幅広い強度で正確な測定結果を得ることができます。
- 安全な取り回し:使用者の肌および眼球は測定時にはUV放射から距離を取る必要があります。
- トレーサブルなキャリブレーション:認定プロセスで使用する紫外線放射計には、校正のトレーサビリティを示す校正証明書が必要です。一部の業界では、測定機器のISO / IEC 17025証明書が求められています。
RCH-xxxシリーズについて
RCH-XXXシリーズ ディテクターは産業用途のUV硬化プロセスでの使用を想定されて開発されました。
光源からのUV放射はコサイン補正されたFOV(低f2)を備えた耐熱性放射線インテグレーター(RADIN)によって感知されます。RADINの優れた放射線減衰により、フォトダイオードと光学フィルタへの紫外線および高温への露出が最小限に抑えられ、測定結果に影響を及ぼす劣化を防ぎます(Figure1)。またRADIN、フィルターおよびフォトダイオードは事前にUV照射によりエージングされています。事前のエージングにより初期の劣化を済ませることでユーザーでの使用による紫外線への曝露によって生じる劣化プロセスが大幅に遅くなります。これらすべての対策により、RCH-xxxシリーズの検出器は、集中的な使用でも経年劣化の影響がほとんど見られません。また使用の結果生じる以下なる変化は推奨される年1回の再校正によって記録され、修正されます。9㎜の受光エリアと8㎜の高さを両立したディテクター設計となっています。
RCHシリーズで使用されるフォトダイオードは短波長にのみ感度を持っています。これにより、長波長の放射が効果的に抑制され、光学バンドパス フィルターと組み合わせることで、Figure2のランプとディテクター感度の例に示すように、光開始剤の化学スペクトル範囲内の有効な放射のみが測定されるようになります。
UVAのLED光源の場合、ほぼ波長に依存しない検出器が存在し、これを一般的なLED波長のスペクトル校正ポイントと組み合わせることで高輝度LEDエミッターの放射照度を正確に測定することを可能としています(Figure3)。
RCH-xxx検出器のフォトダイオードは数picoアンペア(10-12A)から数μアンペアの範囲で測定信号と放射照度の間に厳密な線形関係を提供します。Gigahertz-Optikの測定装置(X1オプトメーター)と組み合わせることで0.1mW/cm2から40,000mW/cm2までの線形測定範囲を利用することができます。
ステンレススチール製のジャケットは熱伝導性が低く、紫外線耐性があります。rigidバージョンは過酷なアプリケーションに推奨されます。flexibleバージョンの最大曲げ半径は50㎜となります。
RADINとフォトダイオードフィルターのハンドル間のライトガイドはrigid(Figure4)およびflexible(Figure5)から選択可能です。RADINとハンドル間は25㎝の距離を設けているためユーザーはUV光に曝露することなく安全に使用いただくことができます(Figure6)。
ステンレススチールジャケットは低熱伝導率と耐紫外線を備えています。rigidバージョンはより過酷なアプリケーションに適しており、flexibleバージョンの最大曲げ半径は50㎜となっています。
NIR(近赤外)LEDによるUV硬化のサポート
RCH-017およびRCH-117はNIR(近赤外)LEDを測定されるために開発されました。近赤外の接着剤への照射による加熱は粘度を向上させる効果があります。
キャリブレーション
絶対単位での信頼性の高い測定には、国家測定機関の標準まで遡ることができる測定装置の校正が必要です。
1993 年以来、Gigahertz-Optik 測定研究所は、スペクトル感度およびスペクトル放射照度の測定に関して PTB (Physikalisch-Technische Bundesanstalt) および DAkkS (German Accreditation Body) によって校正研究所として認定されています。
それ以来、すべての工場校正は、認定校正機関の校正基準と品質管理に厳密に準拠しています。そのため、Gigahertz-Optikの工場校正は最高レベルのトレーサビリティを提供し、長年にわたり世界中で認められています。
各産業分野の要件に基づき、測定ラボの一部は2019年にDAkkS(ドイツ工業規格協会)からDIN EN ISO / IEC 17025試験ラボとして認定されました。これにより、Gigahertz-Optikは、工場証明書に加えて、UV放射計のDIN EN ISO / IEC 17025試験証明書をオプションで提供できるようになりました。
- 放電ランプ用のRCH-xxxディテクターは広帯域スペクトルを持った標準光源によって校正されています。この方法によりディテクターの放射スペクトルに対する感度の不完全性はディテクターのピーク波長に対応した単スペクトル標準光源を用いるよりも正確に考慮、修正されます。
- LED用のRCH-xxxディテクターは分光感度が校正されています。測定時ではLED波長に最も近い波長を測定装置側で選択する必要があります。
波長感度



Figure1.
概略図 1) 高出力UV or IR光; 2) 8mm厚のハウジング; 3) RADIN; 4) 低強度UV or IR光; 5) ステンレススチールジャケットに覆われたUVファイバー 6); センサーハウジング(ハンドル) with ケーブル; 7) UVバンドパスフィルター; 8) 低強度UV放射 9); UVフォトダイオード

Figure2.
365nm UV-Aディテクターの主要なスペクトル感度と典型的なメタルハライドランプのスペクトル

Figure3.
LED用途のUV-A-BLUEディテクターのスペクトル感度と385nm(HLED)の放射スペクトル

Figure4.
RCH-1xxディテクター(ragidタイプ)とX1-1測定器

Figure5.
RCH-0xxディテクター(flexibleタイプ)

Figure6.
測定ヘッドとハンドル間の距離は25㎝のため使用者の安全を確保